言葉を安売りしない。

気付いているそれから、気付かれているそれになる。

解説することをやめて、そのものになる。

常に真実を言う、というか

生々しさ、つまり一つ一つの言葉がその瞬間に生まれてくるように

あることを出すというよりも、その瞬間に在るべき言葉を誕生させるように

そのあとは一つも飛ばさずにきちんと線を辿って、ちゃんと、丁寧に、ゆっくりと探りに入れた手をつたって戻ってくるように

一つ一つ言葉を紡いでいく、切れないよう

インスタントに言葉を出すことは、いくらでも出来る。

ただそれによって失われる自らの尊厳や、起こるはずだったストーリー、生まれるはずだった世界がある。妥協することで付く傷もある。それはとても辛い。とても辛いことだと思う。

微細だった景色の解像度がどんどん下がっていく。

そこにあったものは、もうない。

それは自分ではないってことだ。

それはあなたじゃなくてもいい、という存在否定を自分に対して向けることになる。

命が個性がこうして死んでいく。

言葉が心と繋がっていないと、言葉はどんどん安くなる。

言葉を安く使う、ということに慣れてくると、自分の気持ちを軽んじるようになって、最終的には亡き者にする。

感性の深いところから取り出した言葉には、唯一性と、それ故のと言える美しさがある。

そういったものを使ったやりとりは、とても上質なコミュニケーションだと呼べる気がする。